お彼岸法要
ほんとうの世界からの問いかけ
ほんとうの世界からの問いかけ
ー仏法聴聞の機縁ー
親鸞聖人を宗祖とする浄土真宗では、「彼岸」は仏法聴聞をとおして、
自分自身の日常の在り方や生き方を見つめ直す場・時間として大事にしてまいりました。
さまざまなご縁によって、今の自分があるということの意味に、
亡き方を偲びつつ、静かに掌を合わせてまいりましょう。
お彼岸の由来
お彼岸とは、昼と夜の長さが同じになる春秋の中日(秋分の日、春分の日)をはさんで、前後一週間のことを言います。
もともとこの7日間は、仏教徒にとって大切な学びの期間とし、仏道を修する仏教行事を彼岸会と言ってきました。
お彼岸の「彼岸」という言葉は、私たちが生きる迷いの世界を「
私たちが還る世界でもあり、此岸に生きる私たちの在り方を照らし、「あなたは何を尊いこととして生きていますか」と問いかけてくる世界です。
このことから、浄土真宗の彼岸会は修行の場・時ではなく、仏の教えを聞き、彼岸のこころをしらせていただく場と時なのです。
浄土真宗のお彼岸の迎え方
お彼岸には、お寺やお墓にお参りされることでしょう。
お寺やお墓にお参りすることは、故人の成仏を祈る追善供養ではなく、阿弥陀仏の恩徳を讃え、私たちを覚りの世界に導いてくださる亡き方々(=諸仏)を讃える行為として行います。
お彼岸の入りまでには、お内仏(お仏壇)の仏具のお磨きやお掃除を行います。
お内仏には打敷をかけ、お花は季節の生花を用意し、朱色の蠟燭をご準備ください。
お
昨年の十月五日、祖父の
祖父が亡くなった当時、私は大学四年生。その日は、京都で大学院の面接試験を受けていました。「試験を無事に終えた」と実家に電話をかけた数時間後、亡くなったとの知らせを受けました。最近体調がすぐれないとは聞いていましたが、あまりにも突然でした。初めて経験した身内の死だったためか、亡くなった祖父の姿を見ても全く実感はなく、涙も出ませんでした。ただ、「人間って本当に死ぬんだ、死んだら本当に冷たくなるんだ」と、人間の「死」を感じたことは今でもはっきりと覚えています。
私にとって、祖父は非常に厳しい人でした。子どもの頃、楽しみにしていたテレビを見ていても、夜七時になると有無を言わさずニュース番組に変えられることが、嫌で嫌でしょうがありませんでした。
祖父が亡くなって数年後、私は結婚することになりました。結婚式を
その時、ある言葉を思い出しました。
花びらは散っても花は散らない。形は滅びても人は死なぬ。
花びらは散っても花は散らないのと同じように、形は滅びても人は死なない。これは、
「形は滅びても人は死なぬ」の後には、次のような言葉が続いています。
永遠は現在の深みにありて未来にかがやき、常住 は生死 の彼岸 にありて生死を照らす光となる。
その永遠の光を感ずるものはただ念仏である。
「形は滅びても人は死なぬ」とは、人間は人としての形が滅びても、「
お彼岸には、たくさんの方がお寺やお墓にお参りされます。お彼岸のお参りを通して、亡き方を
2015年秋版『彼岸』(東本願寺出版)より転載
お付き合いのあるお寺で行われている「お彼岸法要」にお参りください。
また、ご自宅にお内仏があれば、僧侶を招き、ご一緒にお勤めし、仏の教えを聞く場としてください。
お付き合いのあるお寺がない」「これからお寺を探したい」という方は真宗会館にお問い合わせください。
特に決まりはありません。ご家族ご一緒にお参りができる日であればいつでも構いません。
普段着で構いませんが、派手な色づかいや肌の露出はなるべく控え、衣服を清潔に整えてください。
また、必ずご自身のお念珠を持ってご参拝ください。
ご一緒に、同じ時間にお勤めしましょう
2024年
秋季彼岸会永代経法要のご案内
2024年9月22日(日・祝)10:00~11:45
お勤めと法話
法話:湯口 暁 氏(首都圏教化推進本部 本部員)
真宗会館では、春と秋のお彼岸の中日に彼岸会を永代経法要と兼ねてお勤めしております。
法要の様子は真宗会館YouTubeチャンネルでライブ配信いたします。
お彼岸の期間中、ご家族ごとでの個別の彼岸法要を承っております。
ご自宅やお墓へのお参りも承っておりますので、お気軽にご相談ください。
法要会場:真宗会館及びご自宅 等
受付時間10:00~18:00(日、祝日を除く)