パネリスト
浜 矩子 氏(経済学者)
湯浅 誠 氏(社会活動家)
木越 康 氏(大谷大学学長)
コーディネーター
鶴見 晃氏(真宗大谷派教学研究所所員)
世界有数の経済大国である日本。華やかで豊かな社会を私たちは謳歌しているように見える。しかし、その裏側には、辛く苦しい状況を強いられている多くの人々の姿がある。日本の子どもたちの6人に1人が貧困状況にあるという。今、私たちの社会で何が起きているのか。
経済、雇用、賃金、貧富、教育、地域、医療、介護、福祉。「格差社会」という言葉が様々な分野で語られることが多くなってきた。もとより、それぞれの状況に差異があっても、互いに尊重しながら「格差」という不平等を極力抑えようとしてきたのが、これまでの社会システムの一面であった。
しかし、特に戦後の経済成長の過程の中で、働く人々の生活よりも企業の利益追求が第一義となり、その結果、人間はその経済システムの歯車として、いつでも交換可能な存在として扱われるようになってしまった。さらに、徹底した合理主義による効率化と競争思考には、ますます拍車がかかり、あらゆる分野において人の序列化と階層の固定化と組織の閉鎖性を孕んだ「格差社会」となって、今日に至っている。
そして、今や勝ち負けや上下優劣の観念は、この時代における強烈な価値基準として私たちを支配し、人間存在そのものまでも格付けするようになってしまった。そこには、もはや人間の尊厳というものが顧みられることはないのである。
今からおよそ750年前、鎌倉時代を生きた親鸞は、<選ばず、嫌わず、見捨てず>という「摂取不捨」の仏教の精神に出遇い、当時の階級(格差)社会の只中を生きていかなければならなかった多くの人々に寄り添われていた。そして、<選び、嫌い、見捨てる>ような自己中心的な在り方から離れることができない私たちに、深い痛みをもって「同朋(とも)」と呼びかけ、励まし合い、支え合う世界が開かれていくことを願われた人であった。
このたびの親鸞フォーラムでは、有識者と仏教者の対話から生まれる言葉を手がかりとして、私たちが生きる社会のあり方を問い返し、格差を生み出す人間の深い闇と、人間が本当に安心できる確かな依りどころを聴講者とともに尋ねていきたい。
親鸞フォーラム第11回
会場 | JPタワーホール&カンファレンス |
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参加費 | 2,000円(事前申込による聴講券が必要) |
定員 | 400人 ※抽選の上、当選の結果は発送をもってかえさせていただきます。 |
開催日時 | 2016年6月19日(日) |
主催 | 真宗大谷派(東本願寺)真宗会館 後援/大谷大学 |
申し込み方法 | E-mail・電話・FAX・ハガキにてお申込みの場合は必要事項(氏名・住所・電話番号・参加人数※1団体2名まで)を記入の上、下記申込先にお知らせください。 〒177-0032東京都練馬区谷原1-3-7 TEL 03-5393-0810 ※ご応募でいただいた個人情報は、東本願寺の講演会の案内に限り使用させていただきます。 【申込締切】2016年5月31日(火)必着 ※第11回親鸞フォーラムのお申込受付は終了いたしました。 |