今、人間を見つめる。
親鸞フォーラムは、毎回異なるテーマを取りあげながら、
仏教者と各専門家との対話を通して「生きていくヒント」を考えていくシンポジウムです。
「平成」という一つの時代が終わった。古来、元号が変わるということは、君主の交代を告げる意味だけのものではなかった。天変地異や疫病など、国家に降りかかる様々な凶事を断ち切るため、この国では時世に名が冠せられ、また忘れられてきた。
そうして訪れる新たな時代の始まりは、いつも希望の言葉に彩られている。
東京オリンピック・パラリンピックの開催も間近に迫ったいま、この国は未来に進んでいく。辛かった前時代の記憶は振り捨てて、より良い明日を求めて、ただ前だけを向いて未来へと進んでいく。しかし、その賑やかさにまぎれて、私たちは何か大事なものを置き去りにしてしまってはいないだろうか。
長い歴史の中で人類は、忘れてはいけない大切な記憶を後世に伝えるため、祈
りの言葉を石に刻みつけてきた。
〈モニュメント̶ monument 〉
「記念碑」とも翻訳されるこの言葉は、ラテン語の〈思い出させる〉を意味する
monere を語源としている。
「平成」という時代の名は、これから私たちに様々な記憶を呼び起こさせてくれるだろう。ある人は、目まぐるしい技術の革新を。ある人は、歴史的な重大事件を。ある人は、災害の辛い記憶を……。あの時代に、私たちは何を得て、何を失ってきたのか。「平成」という言葉のもとに、私たちは振り返り、立ち止まり、考えて行くことができるだろう。時代の名前、それは形なき言葉のモニュメントである。
このたびの親鸞フォーラムでは、新たな時代の始まりに際し、3人のパネリストたちの視点から、「平成」という時代を振り返っていく。秋葉原の無差別連続殺傷事件などについても著作を持つ政治学者の中島岳志氏からは、平成という時代特有の空気感、華やかさの背後に隠された「生き苦しさ」について。中東やアフリカなどでも活躍するフォトジャーナリストの安田菜津紀氏からは、そのファインダー越しにとらえてきた東日本大震災の情景と記憶を。そして仏教学者の一楽真氏からは、移り変わりの激しい混乱の世、鎌倉時代において、ひたむきに自らの進むべき道を尋ね続けた、親鸞という一人の仏教者の生き方と、その信念を。「平成」という一時代を三者三様の視点から見ていく事で、私たちが「いま」を生きるための鍵となるような言葉を尋ねていきたい。
親鸞フォーラム第14回
会場 | 丸ビルホール&コンファレンススクエア<7階ホール> |
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アクセス | ●JR「東京駅」 丸の内南口徒歩1分 ●東京メトロ丸の内線「東京駅」 直結 |
定員 | 400人(先着順) ※申込者が定員を超えた場合は受付を終了させていただきます。 |
申込期間 | 【サンガネット会員特別先行申込期間】 2019年4月16日(火)~4月21日(日) 【一般申込期間】 2019年4月22日(月)~5月17日(金) |
主催 | 東本願寺 真宗会館 |
後援 | 大谷大学 |
パネリスト |
中島 岳志 氏(政治学者/東京工業大学教授) 1975年、大阪府生まれ。大阪外国語大学でヒンディー語を専攻。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科でインド政治を研究。また、近代における日本とアジアの関わりを研究し、2005年『中村屋のボース』(白水社)を出版。大仏次郎論壇賞、アジア太平洋賞大賞を受賞する。学術博士(地域研究)。北海道大学大学院法学研究科准教授を経て、現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。 主な著書に、『保守と立憲 世界によって私が変えられないために』(スタンド・ブックス)、『秋葉原事件』(朝日新聞出版)、『「リベラル保守」宣言』(新潮社)など多数。 |
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パネリスト |
安田 菜津紀 氏(フォトジャーナリスト) 1987年、神奈川県生まれ。Dialogue for People所属。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。 主な著書に、『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)、『それでも、海へ 陸前高田に生きる』(ポプラ社)など多数。 |
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パネリスト |
一楽 真 氏(仏教者/大谷大学教授) 1957年、石川県生まれ。大谷大学文学部真宗学科卒業。大谷大学大学院博士後期課程満期退学(真宗学専攻)。現在、大谷大学教授。 |
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コーディネーター |
名和 達宣 氏(真宗大谷派教学研究所研究員) 1980年、兵庫県生まれ。大阪大学文学部卒業。大谷大学大学院修士課程修了。親鸞仏教センター研究員を経て現職。 著書に『日本宗教史のキーワード―近代主義を超えて』(共著)、論文に「西田哲学と親鸞教学」、「「近代教学」再考の行方―「京都学派」に照らしつつ」など多数。 |
会場 | 丸ビルホール&コンファレンススクエア<7階ホール> |
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アクセス情報 |
●JR「東京駅」 丸の内南口徒歩1分 ●東京メトロ丸の内線「東京駅」 直結 |