季節風 | 真宗大谷派(東本願寺)真宗会館

2019年04月19日

Category サンガコラム

季節風

 新緑が清々しい。生まれたばかりの赤ちゃんを緑児という。新芽のように若々しい命という意味だ。赤ちゃんの存在は見れば思わず笑みがこぼれ、周りに温かさと明るみを自然に与えている

 赤ちゃんのすやすやした寝顔は、安心してその場に身をゆだねている姿。誰もが通ってきた世界。そして誰もがその世界の感覚を無意識に持って生きている。その
感覚する世界が奪われると、生きていく場所は冷たく暗い世界になってしまう。存在が殺される時だ

 1月に実父の暴力で虐待死した10歳の女の子の名前に「愛」という字があった。あの両親は、本当は愛に満たされた温かさ明るさを自分自身の内に求めていたからこそ、我が子にこの字を名付けたのではないか。何故、ああなってしまったのか。他人事として片付けられない、私たちに共通する人間の本質の問題が、そこにはあるような気がする

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