2020年02月18日

Category サンガコラム

中2BOY

小窓のあかりVol.20

 中2BOYの右手が持つものは、箸かスマートフォン。耳にはイヤホン。音楽を聴きゲームをしているのに、周りでの会話も実はしっかり聞いているという不思議。突然に「何々? 今の話」と食いついてくる。大人の中に入って、ちょっと哲学的な話をし、俺って結構イイ事言うじゃんと、安定の根拠無き自己肯定節に満足そう。

 スマホを使う際には21時までと約束をした。「あぁ、今日も時間になったな。おやすみー」と、自分の部屋へゆらりと入った後、情報は空を飛びかい、昭和生まれの機械オンチな母親の監視なんて、いくらでもごまかせると中2BOYはほくそ笑む。

 スマホ規制の網を潜り抜ける術を知り得ているらしいと、母は後日やっと知ることになる。ショックを受けつつ、いたって冷静に「母は知っているんだぞオーラ」を消し、彼に聞いてみる。「なんかさぁ、規制かかってなくてぇ」、「説明の英語も読めなくてさぁ」と、意味不明なウソをつく。

 下手なごまかしウソを繰り返すと、一つ目のウソに比べ、だんだんと彼のまとう空気の流れそのものに揺らぎが生まれてくる。揺らぎの大きさ、それこそが、彼の持つ想像力の深さだ。ウソによって生まれる理想の世界と、自分が言ったウソの一粒が、水面に幾重にも広がり過ぎる波紋となった現実にたじろぎ、落ち着きを失った彼の視線はどこまでも宙を漂う。

 なんてふうに、誰しもが成長過程に通るであろう「子どもが親にウソをつく」という、親にとっては全くもって面白くない話を、出来るだけ大げさに面白がってみようと、必死に話を膨らまし、視点を変えて見てみれば、結構、反抗期も楽しいですよ(と言ってみたい)、というお話でした。

島津 和嘉子(新潟県・長養寺)

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