「行ってらっしゃい」と 「お帰りなさい」のあいだ|声優・劇作家の佐久間 レイさん 真宗大谷派(東本願寺)真宗会館

2019年12月28日

Category サンガコラムインタビュー

「行ってらっしゃい」と 「お帰りなさい」のあいだ

 声優・劇作家
佐久間 レイさん

アニメーションやCM、ナレーションの声優としての活動を続けながら、ここ数年は年間数十本もの講演会や物語の執筆、学生への講義、子どもたちへの絵本の語りを通して、いのちを生き生きと生きるための「心のストレッチ」を伝えている。

子育て、離婚、シングルマザーと、強くなろうとして折れそうになった。今は、強くなくても、子どもを守ることができると思っている。

 私は「道しるべさん」と呼ぶんですけど、私の人生に何人もの道しるべさんが登場するんです。三木たかし先生がご病気で声が出ない状態の時に、「どうして歌わないの。ぼくにもし声があったら、新人歌手でデビューしたい」とおっしゃった。そして「何をいつまでも意固地になっているのか、変わるときなんじゃないの」と言ってくださったんですね。10代の嫌な経験から、ライブもCDも歌手として歌うことも嫌だと思っていました。先生の話を聞いて、ふとそうかもしれないと思ったんですね。自由に、遊び心で歌ってみようと思って、ライブでテレサ・テンさんの歌を歌ったんです。

 「ねばならない」とか、「こうすべきだ」という、私はそういう生き方が割と強かったものですから、それで心も体もずたずたになった経験があって、今ではそれは違うなと思っているんですね。台風の後、丈夫な木が折れて、へなへなな木が残っています。へなへなでいいんじゃないかと思ったんですね。人に優しくというけれども、まず自分を痛めつけたら、それはもう違いますね。だから、しなやかな心で、喜びをもってやらなければ何も実にならないと気づいたんです。

アンパンマンや作者のやなせたかしさんも、佐久間さんにとっての宝物であり、道しるべさんである。

アンパンマンについて自己犠牲という言い方がされますが、先生が私に言ってくださったのは、犠牲じゃないんだ、アンパンマンは幸せなんだ、と。自分の役割に気づき、それを喜んで生きているから幸せだよ、と。そう言われてみると、パンをちぎって食べて、美味…

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