2019年05月14日
Category 親鸞フォーラム
2018 年4 月21 日(土)、丸ビルホール&コンファレンススクエア(東京都千代田区)を会場に「親鸞フォーラム―親鸞仏教が開く世界」が開催されました。
本抄録は「AI× ゴリラ× 仏教-人間とは何か―」をテーマに行われたシンポジウムの内容です。
井上 今日は、「人工知能は未来の経済、社会をどう変えるか」というテーマでお話しさせていただきます。山極先生が人間の過去についてお話くださったので、今度は未来ということになります。
まずは人工知能とは何かというお話をしたいんですが、これは一言で言うと、知的な処理を行うことができるソフトウェアということです。ただ私は、かなり幅広くこの人工知能というものを捉えています。AI研究者の中には、自立的な判断や意志決定ができるものがAIであるとか、あるいは人間並みに賢くないと人工知能とは呼べないという人まで様々です。私としては幅広く、IT、つまり情報技術の中で比較的賢いものがAI、人工知能であると考えてもらったらいいのではないかと思っています。
※イ・セドル…韓国の囲碁棋士。数多くの国際棋戦の優勝回数を誇る。
※柯潔…中国の囲碁棋士。ニックネームは「大帝」。
人工知能が人間に勝ったからといって、AIが人間の知性を上回っているということにはなりません。
例えばスマートフォンには、自分の声で命令すると、その命令に応じて何かをやってくれるような、そういうアプリケーションが入っていますが、こういうものが私たちの一番身近にある人工知能です。あとはセルフドライビングカー、自動運転車ですね。これは、人工知能が車をコントロールして、人間が運転しなくても自動的に目的地まで行くような車です。2020年代前半に、トヨタが市場に投入すると言ってい…