AI×ゴリラ×仏教―人間とは何か(5) | 真宗大谷派(東本願寺)真宗会館

2019年05月20日

Category 親鸞フォーラム

AI×ゴリラ×仏教―人間とは何か(5)

パネリスト山極 壽一 氏、井上 智洋 氏、木越 康 氏、 コーディネーター藤原 正寿 氏

2018 年4 月21 日(土)、丸ビルホール&コンファレンススクエア(東京都千代田区)を会場に「親鸞フォーラム―親鸞仏教が開く世界」が開催されました。
本抄録は「AI× ゴリラ× 仏教-人間とは何か―」をテーマに行われたシンポジウムの内容です。

ルール化していく人間社会

藤原 山極さんの著書の中に『「サル化」する人間社会』という本がございまして、人間が人間となってきたところには、例えば、繁殖期とか子育てのときにだけ関係を持つのではなくて、そういうときではない時でも、家族を持ったり、共同体を持ったりするというのが他の生き物との大きな違いだと。ところが、今の社会では他との共感よりも、ニホンザル的なヒエラルキーと個人化の方向に人間社会は進んできて、ゴリラの社会から学ぶことの方が多いのだと山極さんは著書の中でお書きになっておられます。
 その辺りについて、AIの立場から人間の本質というものを考えておられる、井上さんはどのように考えていますか。

 

井上 一面として、サル化している部分というのは確かにあるかと思うのですが、ただ私自身の実感としては、今の学生さんたちは、逆にすごく協調性があって、礼儀正しい若者が増えているというように感じます。それが私には不満で、もうちょっと粗暴なぐらいの方がいいのかなと思っていて。最近は、若者の草食化と言われていて、男性があまり女性に対して積極的でないということが言われているんですけども、道徳心が強過ぎるのか、人の不快にならないよう、すごく気を使っているんですね。その気遣いにもう疲れてしまって、もうそんなことをするぐらいだったら、男同士で遊んでいる方がいいよとなる。そのことを私はちょっと懸念していますが。

 

共感というのは、単に同調することではなくて、相手の気持ちになり、相手の状況というものを…

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