2020年07月29日
Category インタビュー
日本国憲法ができて73年。憲法は何のためにあるのか。最近、木村さんは小学生向けに本を出した。「遠慮しないで生きるために憲法はある」、「理不尽な強制をする校則は、憲法違反」など、身近な問題から憲法をやさしく教えている。
憲法は、日々を生きる私たちの味方だと木村さんは言う。私たち一人ひとりのよい生のために、人権を守り、権力をコントロールしているのが憲法である、と。
憲法の歴史をたどると、今では当たり前に思えることが当たり前ではなかった時代があることがわかります。例えば、国家は国王や皇帝の私物だから、みんなが止めたがっている戦争を続けるために国の財産を使ったり、自分のお気に入りの人物に官職を割り当てたりして何が悪いんだ、という考え方が強く主張されていた時代があったわけです。
ところが、それは違うのではないか。国家は国民みんなの利益を守るためのものであって、人権を侵害するような国家権力の使い方は許されないのではないか。そんな考え方が発展してきて、それが憲法という形にまとまってきたんですね。そういう意味では、いま私たちが当たり前に考えていることの基礎に、憲法があると言えます。
国家権力は、①戦争、②人権侵害、③独裁という三つの失敗をしやすい傾向があることから、現代では少なくとも、憲法に、①軍隊・戦争の統制、②人権保障、③権力分立の三つの内容を盛り込むべきだと考えられています。
憲法は、その国の歴史を反映しています。その国の歴史の中で、強く反省すべきことがあったとき、その反省を盛り込むために、憲法が大きく変わることがあります。 日本の…