近くて遠い国|サンガコラム「世界分断の手当て」 真宗大谷派(東本願寺)真宗会館

2022年12月04日

Category サンガコラム

近くて遠い国

世界分断の手当て vol.1

2019年撮影、平壌市内の小学校にて日本人大学生と現地の子どもたちとの交流の様子。
日本、韓国、北朝鮮3カ国の小学生たちが絵画で交流する取り組みは20年以上続いている。
人の移動はできないが、繋がりを築いてきた。

 今朝、東京でも空襲警報が鳴った。北朝鮮からのミサイル発射を受け政府はJアラートを発令、建物や地下への退避を呼びかけた。発射から日本列島通過まではわずか数分。「間に合わないだろうに」そう思いながら空を見上げた。よく晴れた朝。秋の空気が心地よかった。「近くて遠い国」のあの人たちは、今どうしているだろう。一人一人の顔が頭の中に浮かんだ。

 初めて私が平壌を訪ねたのは2018年の夏。日本の大学生と平壌で日本語を学ぶ大学生との交流をサポートするNGOの活動に同行した。10年以上続いている交流。核や拉致、戦時賠償など複雑な話題から恋愛や流行まで、緊張と疑心暗鬼で始まった学生同士の会話も、数日間行動を共にすることで少しずつ和らいだ。「どうしてミサイルを打つの?怖いよ」。日本の学生の問いに「え?」という顔で平壌の学生はこう答えた。「日本には自衛隊がいるのにどうして米軍までいるの?核もあるよね。怖いよ」。今度は日本の学生がハッと見返した。こうした交流の先に平和があると信じている。まだ、諦めたくない。

 

 

堀 潤(ジャーナリスト・キャスター)

1977年、兵庫県生まれ。2001年にNHK入局。「ニュースウォッチ9」リポーター「Biz スポ」キャスター等、報道番組を担当。2012年、市民ニュースサイト「8bit News」を立ち上げ、2013年4月1日付でNHKを退局。現在は、TOKYO MX「堀潤モーニングFLAG」のMCをはじめ、AbemaTV「AbemaPrime」、読売テレビ「ウェークアップ」などに出演し、国内外の取材や執筆など多岐に渡り活動中。2020年、自身で監督、出演、制作を行った映画「わたしは分断を許さない」を公開。

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