2020年07月10日

Category 法話

ゴータマ・シッダールタとは

お釈迦さまはどんな人だったの?-「生きがい」と仏教②

お寺や仏像に興味あるけど、仏教の考え方となるとなぁ。宗教ってなんか近寄りがたいような感じがするけど。仏教徒!?と言われると困るけど、でも墓参りをしているし…こんなことを思ったことはありませんか?

知らなくても生活には困らないけど、その教えが人々を支え、2500年以上確かに伝えてられてきた仏教。身近に感じる仏教のギモンから「そもそも仏教とは何か」を考える超入門講座「人生にイキる仏教ー大人の寺子屋講座」。

この抄録は第2回「「お釈迦さまはどんな人だったの?-『生きがい』と仏教」」の抄録②です。

 よく仏教は、「死者の供養をする宗教で、生きているうちは関係ない」「願い事を叶えてくれるのが仏教だ」というイメージを持たれがちですが、仏教は人生の「生きがい」に関係することです。では何を課題としているのか。

 お釈迦さまは、今からおよそ2500年前に生きられた方です。確実な生没年ということは、はっきりと分かっていせん。諸説ありますが、北伝という中国や朝鮮や日本に伝わっている説では、西暦紀元前566年から486年頃まで生きられたという伝承があります。80年の生涯を生きられた方です。近代の仏教研究では、遺跡や文献、インドの歴史から推定すると、紀元前の463年から383年頃というのがお釈迦さまの生きられた時代ではないかと考えられています。

 インドのデリーに行きますと、国立博物館にお釈迦さまの遺骨が置いてあります。小さな骨片ですが仏舎利と言います。お釈迦さまが亡くなった後に、遺体は火葬されて、遺骨が8カ所に分骨されます。そしてさらに分骨されたものが、日本にも伝わっています。色んなところにありますので、その骨を集めるととてつもなく大きな人になるのではないかと思うのですが、東本願寺にもあります。

 お釈迦さまとか釈尊と呼びますが、これは「釈迦牟尼仏」又は「釈迦牟尼世尊」という正式な名前の略語です。「釈迦」は、「シャカ族」というお釈迦さまが生まれられた部族の名前です。インドは当時大小合わせて16の国・部族があり、シャカ族は、マガダ、コーサラという2大国の間に挟まれた小さい国でした。現在のインド北部にあり、お生まれになったルンビニーという場所は、現在のネパール領です。

 「牟尼」というのは、「聖者」という意味です。「仏」は前回お話した通り「目覚めた人」という意味です。ですから「釈迦牟尼仏」というのは、シャカ族の聖者で、目覚めた方という意味になります。「釈迦牟尼世尊」という場合、シャカ族の聖者で、世に尊き方という意味になります。

 ですから、お釈迦さまとか釈尊と言っているのは、言葉の意味としては、個人を特定する名前ではなく、普通名詞です。個人の名前は「ゴータマ・シッダールタ」です。ゴータマは名字で、「もっともすぐれた牛」という意味だそうです。名前のシッダールタは「目的がかなえられた」「全てのことが皆成就した」という意味だそうです。仏典の中ではゴータマとかシッダールタと呼ばれているものが多くあります。

 お釈迦さまはシャカ族の王の家に長男、王子としてお生まれになられています。カピラヴァスツゥというお城があるのですが、そこのシュッドーダナ王という王さまを父親に、マーヤ夫人という方を母親に生まれられました。お母さんは誕生してすぐに亡くなってしまいます。産後の肥立ちが悪くて亡くなってしまうということも、お釈迦さまの人生に大きく関わっているかと思います。

 このようにお釈迦さまは、シャカ族という一つの部族の皇太子であり、その国を継ぐ位にありました。今回、特に確かめたいのは、お釈迦さまの出家です。皇子であったお釈迦さまはなぜ出家をしたのでしょうか。

≪お釈迦さまはどんな人だったの?-「生きがい」と仏教①

 

 

 

鶴見晃(つるみ・あきら)氏/同朋大学准教授

1971年静岡県生まれ。大谷大学大学院博士後期課程修了。真宗大谷派(東本願寺)教学研究所所員を経て、2020年4月より現職。共著、論文に『書いて学ぶ親鸞のことば 正信偈』『書いて学ぶ親鸞のことば 和讃』(東本願寺出版)、『教如上人と東本願寺創立―その歴史的意味について―』『親鸞の名のり「善信」坊号説をめぐって』『親鸞の名のり(続)「善信」への改名と「名の字」-』など多数。

 

 

写真/児玉成一

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